色覚

カラーマッチングは印刷会社にとって最も重要で、しかも難しい仕事です。デザイナーが思い浮かべた色をスクリーンに再現し、実際に印刷するのに当たり、色を正確に取り込む作業には、さまざまな要素が関係しています。

色に対する認識は、一人ひとりの感覚によって大きく違ってきます。目の構造や周囲の光の状況により、目に移る色が異なるからです。これと同様に、クライアントからデザイナーに伝えられた色に対する認識も、ユーザーの主観によって変わってしまいます。

色がデジタルフォーマットに転換されてからは、ディスプレイ装置やパソコンの設定が変動要因となります。同じ色でも、フラットパネルLCDモニターとLEDテレビとでは表示が異なりますし、輝度、コントラストの校正や設定も、色の見え方に影響を与えます。

印刷に回されてからは、印刷の技術と設備が、最終的な色に影響を与える要素となります。印刷機の種類、校正、操作者、あるいは季節によって、刷り上がりが微妙に異なり、基材や紙のテクスチャによっても、刷り上がり後の色の見え方が違ってきます。

L-a-b 色空間とICCプロファイル

色のバリエーションに影響するこれらの要素に対して、弊社のエンジニアが正確な色をプリントしていくには、色を包括的に定義するところからスタートします。

画像やデジタルデザインは、RGB(赤/緑/青)またはCMYK(シアン/マゼンタ/イエロー/キープレート)といったICCプロファイルを用いて設定されています。しかし、これらの色空間は包括的とは言えず、刷り上がりの色はモニター表示の色とは異なってきます。

弊社では、国際照明委員会(CIE)によって規定された最も完全なL-a-b 色空間を用いています。L-a-b 色空間は、明度/暗度を示す“L”軸、及びカラーコンポーネントを示す“a”軸と“b”軸によって構成されています。人が感知できるすべての色を表しており、独立したデバイスとしてのカラー言語であり、RGBとCMYKの色空間を包含しています。各種のデバイスの中でLabを用いて共同のカラー言語を作成してICCプロファイルを構築すれば、カラーのシミュレーションやマッチングが可能となり、デバイスとデバイス間の色差がなくなります。このように色を管理することで、作業プロセス全体を通して、刷り上がり時の色のぶれを解消することができます。

L-a-b 色空間を基準とすることで、人と人、デバイス間、印刷環境において色をしっかりと定義して、その情報を正確に送信することが可能となるのです。

測定と色精度

弊社の印刷作業では、最先端の工具を取りそろえて色を測定し、色の変化を管理しています。最高のカラークオリティを実現するには、最先端の分光光度計とカラーマネジメントシステムが不可欠です。

正確な色の刷り上がりとするために、弊社では業界でも有数のプリントチームを組んでいます。過去15年間、14000種類のスポットカラーを調合、定義してきており、これはPantone色見本帳8冊分に匹敵します。Pantone色番号、1本の口紅、皮のサンプルがあれば、あるいは全く新しい色でも、弊社はマッチングして見せます。

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